住宅ローンは人生の墓場だとよく言われます。ネットではサラリーマンが住宅ローン破綻したネガティブな記事も見かけます。これから住宅ローンを組む私もそういった人間になってしまうのでしょうか。今回は私のローンとの向き合い方について書きたいと思います。
逃げるは恥でも何でもない
普通のサラリーマンにとって高額な住宅ローンは半生をかけて払っていくようなものです。さらにタワーマンションを購入すると、ローンだけでなく管理費や修繕費、税金などの高額な維持費が発生して困ることが目に見えています。それでも購入したのは、万が一の時はさっさと逃げ出すつもりでいるからです。逃げ出すというのはローンを踏み倒すわけではなく、マンションを売却して得たお金でローンを完済し、マンションの維持費とローンからおさらばすることです。
そこで当然気になってくるのがマンションの売却額でローンが完済できるのかという点です。もし完済できない場合、多少であれば自己資金で穴埋めできますが、何百万円や一千万円を超える不足が発生すると身動きが取れなくなってしまいます。そうした事態にならないよう私はローンの返済計画やリセールバリュー について考えました。
返済計画と近隣物件調査
まずはローンの返済計画を立てます。返済期間は何年で組むと、月々の返済額がいくらで何年後だと残債がいくら残っているのかを試算します。そして近隣物件物件の調査をして将来売却するときの価格イメージを掴んでおきます。
例えば5000万円の物件を、男気あふれる35年フルローンで購入するとします。金利は0.5%の元利均等で計算してみると、月々の支払いは利息含め129,792円になります。変動金利の場合は金利の改定があるので、この通りにはならないですが年単位での大凡の残債がわかります。
年月 | ローン残債 | 中古相場 |
---|---|---|
2020/01(初回) | 49,891,041円 | ー |
2022/01(2年後) | 47,372,412円 | 築2年の中古価格 |
2025/01(5年後) | 43,381,443円 | 築5年の中古価格 |
2030/01(10年後) | 36,595,372円 | 築10年の中古価格 |
そして近くの似た条件の中古マンションを調査して価格相場を知っておき、残債を相殺できるかどうかの指標にします。中古マンションの価格相場が残債を大きく下回る場合は諦めるか、どうしても欲しい場合は頭金を多めに用意して借入金額を減らすと良いでしょう。
まだ私はローンを組んでいませんが、契約したマンションはフルローンで組んでも逃げ出せそうな物件だと試算と調査から判断しました。
リセールバリュー
リセールバリューとは売却額のことで、万が一逃げ出すために私は常に念頭に置いていました。マンションの資産価値が高ければ、当然ながらリセールバリューでも高値がつくでしょう。そこで私はマンションの資産価値を知るために以下の3つについて考えました。
この中で圧倒的に重要なのが立地で、マンションの資産価値は立地でほぼ決まります。土地や建物、イメージといったように資産価値の指標は様々ですね。
立地
交通や生活の利便性、その街の人気度などが観点になってきます。交通の利便性とは、最寄駅やバス停までの距離、それらの使いやすさのことです。生活の利便性は、スーパーやドラッグストア、銀行や病院といった生活に必要な施設までの距離や質になります。挙げれば他にも観点はありますが、重要なのはこの辺りでしょう。
私の契約したマンションは、公式Webサイトに最寄駅まで徒歩3分と明記されていて、駅近物件としてリセール時の強みになります。しかし湾岸エリアは注目されているとはいえ、まだまだ再開発中の地域も多く、これからどうなるかわからないといったリスクもあります。
広さ・間取り・眺望
次に部屋の広さや間取り、眺望が重要になります。広さや間取りについては、大なり小なりライフスタイルや家族構成によってニーズがあると思います。最近は未婚者やDINKsが増えているので1LDKや2LDKの需要の方が伸びているのかもしれません。3LDKは広いですが、その分購入価格が高くなりますしエアコンや証明といった設備にもお金がかかるので、地価の高い地域では手が出し辛いでしょう。
方角は一般的には南が人気ですが、夏場が暑くなる高層階においてはそうとも言えないようです。それよりも眺望の景観が優先されるようですが、どちらも気にしない人は一定数いるようです。
私が契約した部屋は、1LDK40㎡の高階層の物件です。間取りと眺望に関しては悪くないと思っています。しかし平米数は大きな欠点となっていて、坪単価が高い上に給付金や減税関連が対象外なのです。1LDKなのである程度は仕方ないのですが、購入を一番悩んだポイントでもあります。
マンションブランド
日本人がブランド志向であることは有名ですが、それはマンションも例外ではありません。マンション建設にはデベロッパーとゼネコンと呼ばれる企業が関わっています。デベロッパーはマンションの企画開発を、ゼネコンはマンションの施工を担当します。それら企業のブランドやマンションのシリーズによってもリセールバリューは影響を受けるのです。
私が契約したマンションは大手デベロッパーの高級マンションシリーズですが、湾岸エリアのタワーマンションは高級マンションシリーズが多いので、強みにはならないでしょう。
湾岸エリアの相場
ここで湾岸エリアの一部のタワーマンションの価格を紹介します。現在価格は2020年1月時点での価格ですが、なんと新築時の価格とほとんど変わっていないのです。それどころか晴海に関しては1000万円以上も上げています。
マンション | 地域 | 部屋 | 竣工 | 新築価格 | 現在価格 |
---|---|---|---|---|---|
勝どきビュータワー | 勝どき | 64.26m² 2LDK 20階 | 2010/11 | 6,998万円 | 6,876万円 |
ザ・パークハウス晴海 タワーズクロノレジデンス | 晴海 | 67.18m² 2LDK 20階 | 2013/10 | 5,208万円 | 6,259万円 |
シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル | 豊洲 | 69.18m² 2LDK 20階 | 2009/06 | 6,070万円 | 6,227万円 |
ここ数年、湾岸エリアの地価はとてつもない勢いで高騰し続けています。高騰している理由に関して今回は触れませんが、近いうち記事にしたいと思います。
そして私が契約したマンションも湾岸エリアですが、今後もこのような勢いで上がり続けることは考えにくいと言われています。横ばい、もしくは下落に転じる可能性が大きくあります。
おわりに
ローンとはいわば借金で、その事実はメンタルにも影響を及ぼすでしょう。しかし融資と同等の資産価値物件を選ぶことができれば、総資産としてはプラマイゼロという考え方もできるのかもしれません。
私は独身なので万が一の時はマンションを売ってローンを完済するだけです。家族がいない分負担も大きいですが、身軽に決断行動ができるところは大きな利点です。住宅は家庭を持つ人が購入するイメージですが、もしかすると独身こそ購入すべきものなのかもしれません。
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